2005年 05月 16日
リーガ制覇
バルサ6シーズンぶり17回目の優勝。
華麗で速いパス回し、それを可能とさせる卓越した個人技、
さらには、個人と組織の融合を可能とさせる選手相互の献身意識が
織り成す魅惑的で危うさも兼ね備えた流麗なサッカー。
バルサの圧倒的な勝利を語るとき、その要素を枚挙するのに暇は無い。
特筆すべきは、前線からのプレスの徹底。
システムを一見すると、ドブレピポーテ(ダブルボランチ)真っ盛りな
現代サッカーにおいて、バルサの陣形は前懸かりのように見える。
しかし、これは、前で奪われたら前で取り返すというプレス体制が徹底しており、
センターFWたるエトオ、2列目のデコ、チャビのプレスにより、
ピポーテ(ボランチ)はセンターバックが本職のマルケス1人で十分であったからだ。
前線のボール奪取が可能であるが故に、
当然ボールポゼション(ボール支配率)は高い。

マドリは、前線のプレスが皆無で(ロナウドは歩いている時間が長いし、
ジダンは守備をしない。フィーゴ、ラウルも同様)あるため、
前半戦はバッカムの運動量に任せるしかなかった。
また、グラベセンが冬の移籍で加入してからも、
中盤の守備は彼一人に比重がかかりチームの安定性に欠けた。
また、終盤は、フィーゴという遅攻の根源を先発起用しなかった効果で、
効率的な得点と速いパス回しが可能となり連勝を続けたが、
チーム・選手の充実したバルサを捕らえるには時既に遅かった。

バルサの得点数が多いのは、無意味なパスを用いず、
アタックしつづけるパス繰り返したからに他ならない。
バルサ相手では当然相手は守備の人数を増やし、ゴール前を固める。
しかしながら、バルサの選手個々は、
臆することなく守備を切り崩すパスを試み続ける。
同じくポゼションサッカーを標榜するジーコジャパンが決定力不足
といわれるのは、このアタックするパスが少ないためで、
これはそもそも、ミドルシュートの技術とともに、危険を冒すパスを通す技術、
あるいは、実行する自信や意思の疎通の差であると思う。
また、バルサは、ポゼションサッカー故にじっくり攻めることのみを信条とする
かのように見えるが、その実、得点の多くは速攻(カウンター)による。
自陣でボールを受けたロナウジーニョは、
前線につねに残っているジウリへのサイドチェンジにより、
何度も相手守備陣に脅威を与えつづけた。

一方、バルサの危うさとは、攻撃的なサイドバックを両方に配しているため、
実質2バックのような陣形となり、再度バックの裏を狙われ、
センターバックが釣られてサイドに流れ、
中央の守備を補完する逆サイドのサイドバックやボランチの戻りが遅れての
失点が多かった。コーナーキックでの失点も多かったように思う。
しかし、サイドバックの攻めは、バルサの前線の選手に、
ボールを奪われないための選択肢を増やし、
前線でボール奪取した際の2次攻撃のオプションとなった。
つまるところ、魅惑のポゼションサッカーと危うさの表裏一体を形作るのは
このサイドバックであって、攻めること、得点することを求められる
スペインサッカーにおいては、「裏」たる守備の危うさは黙認しうることだった。
とは言え、実際の失点は本日現在26のリーガ最少で(得点は70で最多)
あるため、守備は堅いのだが。

敗戦数4(2位マドリは8)で、
20チーム制での獲得勝ち点記録を更新したバルサの優勝は、
完璧と言っても過言ではなく、それを成し遂げた選手・チームは、
今後クライフのドリームチームに匹敵する黄金時代を築き上げるかもしれない。
そして、選手時代はW杯以外のタイトルを総なめにし、
今回バルサを導いたライカールト監督は、
監督として自身初のビッグタイトルにより、名監督の道をばく進してほしい。
彼の監督としての最大の武器は、
選手、フロント、ファンを尊敬し保護し、安心感を与えるその人格だ。
それに戦略家としての要素が身につけば恐いものなしだ。

昨日、バルセロナでの優勝パレードに市街地沿道で90万人、
カンプノウスタジアムで10万人のファンが祝勝した。
バルセロナ市民は160万人だから市民の62.5%が参加したことになる。
人口139万人の福岡市なら87万人参加した計算になる。ダイエーの優勝では、
30万人とかだった。ほぼ3倍の数に登る。市民の熱狂振りが伺いしれるし、
彼等がいかに待ちわび、いかにバルサに魅了されたかが分かる。
惜しむらくは、その100万人の中に私がいないことだ。
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by fez_maroc | 2005-05-16 19:49 | 【バルサ】


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