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2005年 07月 17日
自助
YMOの曲の中でその歌詞に興味を持ったものは唯一「以心電信」。
最も好きな曲の一つだ。
この曲は、NHKのコミュニケーション年キャンペーンソングで、
これがNHKで流れていたのを聴きYMOを知ったという、
いわば、私のYMOへの入り口となった曲。

 この中でのテーマは「自助」。このような歌詞がある。
   「生まれたままに生きてる自分を愛してみよう」
   「心の奥を鏡の中に映してみよう」
   「See how the world goes round .You’ve got to help yourself.」
   「See how the world goes round .Then you’ll help someone else .」

 この歌詞は、幼児虐待、自殺の低年齢化などの近代の社会現象を背景に、
人助けよりもまず、ありのままの自分を愛し、自らを助け、自らを守る考えが
必要だという意味を表している。そうして初めて他人をいたわる気持ちを持つべきだ
とも解することができる。

 「自助」という言葉をネットで検索する。「他人の力によらず、自分の力だけで
事を成し遂げること」とある。この言葉だけでは薄い印象を持ってしまう。

 江戸時代、米沢藩の藩主であった上杉鷹山は三助(いわゆる「自助」「互助」
「扶助」)を説き、大飢饉などを凌いだとされる。
この場合の「自助」とは「自分のやれることは自分でやって自らを助ける」ということ
であり、藩士なども自ら農作業を行うことを命じた。
ネットの辞書にある「自助」は、「他人に頼らず」という言葉どおり見方によっては
厳しいものであるが、鷹山の自助は、例えば、農作業が出来なくなった老人は、
鯉の飼育などをさせて活用の場を与え、「自分のやれること」を重視している。
そして自らの力では賄い切れないことに対して、
お互いで助けあう「互助」があると説いた。
ちなみに「扶助」は藩政により民を助けることである。

 以上2つの自助、YMOが訴えた「自分を愛さなければならない。
そうすれば他人を愛すことができる」という自助、
鷹山の説いた「自分のやれることを自分でやって自らを助け、
そして周りと互いに助け合うことが必要」という自助を考えると、
自分自身をしっかりと見つめなおし、理解し、そこに誇りを持つべきで、
でなければ他人を真に助けることはできない。自分を助ける上での苦労を知り、
他人の苦労を知る。自分を大事にして他人を思いやる。
 2つの違いは精神的か実践的かの違いであって、
まず「自ら助ける」を第一優先するという点で共通する。
 
 私自身を振り返ったとき、どこまで自分を愛しているのか、
他人を思いやる気持ちは、どこかしら「自ら助ける」のではなく
「自らに甘える」ことから発生したものではないのか、
言い換えれば、他人を思いやる中に、自らを差し置いて他人に期待する気持ちが
強くあるのではないか、もっと言い換えれば、自分を見つめなおすことなしに、
他人を思いやっている振りをしているのではないか。
あるいは、
自分を見つめていながらも本来の自分を押さえ込んで偽りの自分を装っていないか、
それで本当に他人を助けれるのか。自分のやれる範囲のことをやれているのか。

とまあ、書いているうちにだんだん訳分からなくなってきた。
最近の多忙な状況の中で、
今まで考えていなかったことを色々と考えている今日この頃。
イカンイカン。本来「自助」とは前向きな考えと理解しているのに自虐的になっている。
リフレッシュが必要だ。

 
 ちなみにYMOの歌詞で1回だけ「and You may help me」といっている。
どう訳すのが適切か分からないけれども、
「よろしければ私を助けてくれません?」とかいう遊びのフレーズだろう。

by fez_maroc | 2005-07-17 23:20 | 【独り言・・・】


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